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食育体験セミナーin BIG SHIP「チーズ作り」実施報告

「フレッシュ・チーズつくりとワインの相性を愉しむ会」

食育セミナー 実施報告

1.セミナーの経緯と背景

  NPO法人バイオ未来キッズの活動の一環として、2015年10月15日、墨田区本所地域プラザ BIGSHIP主催の「食育セミナー」に、墨田区住民の保護者を対象とした「フレッシュ・チーズつくりとワインの相性を愉しむ会」を実施しました。
  当法人の吉村 実理事、及び、ご協力を頂いた㈱明治 食品開発研究所 梁原智晶氏を講師としたセミナーの概要を報告します。
  なお、ご意見、ご感想、ご質問がありましたら、本HPの「問合せ・ご意見」でお知らせ下さい。


2.セミナーのプログラム


11:00~11:05 開会の挨拶 村井朝夫理科実験部会長
11:05~11:30 「チーズとは?」
11:30~12:00 「乳酸菌の豆知識」
12:00~12:10 フレッシュ・チーズつくりの手順説明
  休憩  
12:20~13:00 チーズつくり実習と調理(3班)
13:00~13:40 ワインとの相性と試食・懇談


3.セミナーの概要

 今回の「フレッシュ・チーズつくり」食育セミナーは当法人にとって初めての体験でありまたので、入念な事前準備を行い、当日は9時から技術指導員(サポーター)の方々7名と実習手順の内容を共有し、会場の設定、実習器具・調理器具の確認・洗浄、食器類、ワイングラスその他食器類の準備を行った。
 実習参加者は17名(男性6名、女性11名)であったが、今回は墨田区の広報誌に案内が掲載されたので、本所地域外の方々の参加が多かったようです。

(1)「フレッシュ・チーズつくり」

チーズつくりには原料乳(タカナシ「低温殺菌乳」を使用)適度に乳酸発酵させる必要があり、セミナーに先立って乳を加温してスターター(乳酸菌)を加え乳酸発酵を開始し、約1時間半の発酵を行った。
 その間、吉村講師から「チーズとは?」をスライドを用いて分かりやすく話をしました。

fig1

 更に、梁原講師から(株)明治 十勝工場のチーズ製造に関するVTRの映写と「乳酸菌の豆知識」についてのお話を頂いた。

fig2

 引き続いて参加者にフレッシュ・チーズつくり実習手順とできたチーズの調理方法を手順書とスライドで説明して理解を深めていただいた。
 休憩時間中、参加者には手指の洗浄をお願いし、その間サポーターで直ぐに実習が開始できる準備を行った。
 乳は既に乳酸発酵が進んでいるので、実習は凝乳酵素(レンネット)を添加することから開始した。

fig3

 事前の予備実験では酵素添加後直ちにカゼイン凝固が始まったが、今回はやや間が開いたので、一瞬ヒヤッとしたが、3班とも1~2分で凝固の兆候が認められたので、ほっとすると同時に参加者からも歓声と拍手がおこり、皆さん凝固し始めた乳を見て感激の様子であった。

fig4

 その後、各班の平均収量は約530g(全体で使用した牛乳は9ℓ、カード(凝乳)収量は約1.6㎏)程度で理論的にもほぼ満足のいく結果であった。

fig5

(2)「フレッシュ・チーズつくり」

 得られたカード(凝乳)は各班で試食用にフランス・リヨンの家庭料理であるセルヴェル・ド・カニュに調理するため、準備したハーブ類(エシャロット、シブレットのみじん切り)とニンニクのピューレを加え、調味料(塩、黒こしょう)で味付し、最後にオリーブオイルと試飲用の白ワインを少量加えて味を調え、薄切りのバゲットに飾って白ワイン(「サンセール」 ドメーヌ・ド・ラ・ガレンヌ2013)と一緒に試食した。

fig6

(3)「講師感想」

 供試したワインは、酸味の爽やかなシャープでフレッシュ感のあるよく冷えた辛口の白ワインであり、チーズのフレッシュな味わいとよくマッチして、チーズ料理の美味しさを一層引き立て、素晴らしいハーモニーであった。
 参加者は、丸テーブルを囲んで少量とはいえワインを飲みながらの歓談となったので、講師・サポーターも含めてみなさん初対面にもかかわらず和気あいあいの笑顔あふれる楽しい試食会となった。
 白ワイン3本が無くなったころ、BIG SHIP山中館長のご好意でボルドー・メドックの赤ワイン(2013)が2本差し入れられ、一層座を盛り上げることとなり、全員で乾杯しながら楽しい会を終えることができた。
 次回の食育体験セミナーは12月3日に『作ってみよう!家庭でできる味噌とヨーグルトつくり』教室を開催することになっているが、当日の参加者からも是非参加したいとの声が多く聞かれ、一同嬉しく思った次第である。

fig7

 今回の「フレッシュ・チーズつくり」を今後「食育セミナー」シリーズの一つの柱として育てていくため、講師もサポーターも緊張感を持って臨み、初回としては大きな成功であったと確信している。
 今後反省点を検証して実習手順書や進行プログラム時間割表を再考し、次回につなげていきたいと考えています。


4.謝辞

 今回の食育体験セミナー開催に当たり、多大なご厚情をいただいた本所地域プラザBIG SHIP山中みどり館長様、村井朝夫理科実験部会長様始めスタッフの方々に厚く御礼申し上げます。
また(株)明治様には講師派遣とサンプル提供に感謝申し上げます。